楽しんだもの勝ち

ワーキングホリデイの最初の頃、

延世大学の韓国語学堂の1級に通った時のことです。

私のクラスには、日本人、中国人、ドイツ人、アメリカ人、ロシア人がいました。

その中で、ロシア人のクラスメートがなかなかユーモラスな人で

今考えると、結構面白いエピソードがあるなぁと。

そのうちの一つが、彼の堂々とした態度です。

 

初級クラスなので、韓国生活に適応できるような会話のレッスンがありました。

その中でタクシーの乗り方。

運転手さんにどうやって行きたいところを伝えるのか。

韓国語を学んでいる方は、最初に「어디어디에 가주세요.」と覚えたと思います。

その「どこ」というのを自分の家と設定したら、

まずは自分の家の住所を覚えなければいけません。

みんな順番に自分の住んでいるところを伝える会話のレッスンをしていました。

私はその頃 용산구(龍山区)に住んでいたので、タクシーに乗れば

「용산역으로 가주세요.」と言っていたと思います。

もしくは、その家の近くにあった「국립박물관쪽으로 가주십시오」とか。

で、ロシア人の順番になった時、彼は英語で「Hey, It's me!」と言い放ったのです。

??????????????

先生が、それじゃわからないでしょ?と言います。

すると彼は、「大丈夫、これで行けるから。みんな俺のこと知ってるし。」

みたいなことを言ってゴリ押し。

みんな笑って、彼はそんな感じで韓国社会に馴染んでいくのだと思いました。

先生もお手上げで、まぁいいか、と。

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私たちは比較的、学校に通えば真面目に勉強したり覚えたりします。

でも学校で習ってもすぐには韓国語は通じない。

それは当たり前で、真面目に勉強しても最初はわからないことだらけで、通じないのが当然ですね。

ただ、学ぶ姿勢の中で間違ったら恥ずかしいとか、

韓国で何かを伝えようとした時に「はぁ?」という感じで反応された時に、

ごめんなさい。というようなちょっとおどおどしてしまいます。

でも、そんなに恐縮する必要はありません。

だってわからないんだもん。

だから学校で習っているわけですし。

間違うことが恥ずかしいとか思う必要はない。

間違うことは失敗ではありません。

目一杯間違っても、堂々と彼のように(?)馴染めることが大事かな。

韓国語を日本で習うこともそうだと思います。

習っている過程をテストされているわけでもないし。

楽しんだもの勝ちだと思います。

私は、クラスメートが多国籍であったことから、そういうことも学びました。

人と自分が同じ感覚で学ぶわけでもないし、前提が違うことは当然です。

だから、自分も堂々と間違いながら、でも一つひとつ身につくことを実感して

これからも勉強を続けて行きたいと思っています。

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後日談

ある時初級クラスのみんなで食事をしに言った時のこと。

上で話したロシア人の彼もいました。

彼はちょっとみんなより先に帰ると言って先に店を出ました。

しばらくして、店にいたみんなも食事を終えて外に出てみたら、まだ彼は店の外に。

どうしたのか聞いてみたら、「タクシーに乗れない」と言います。

自分の住むところの地域名を言ってもタクシーのおじさんが分からないと言って

乗せてくれないのだそうです。

その当時はカーナビが普及していなかったせいか、

住所を言っても運転手のおじさんが知っている地域でなければ乗せてくれないことも多かったのです。

試しに私が彼の住所を捕まえたタクシーのおじさんに言ってみても、

「そんな地域はないよ」という具合にあしらわれました。

やっぱり授業中にシミュレーションの練習はやっておくべきでしたね。

結局彼は、なんだかんだ言って笑いながら「大丈夫、何とかするよ!」と

夜の闇に消えて行きました。

最後までたくましい友達でした。